臨床研修医制度について

初期臨床研修について

 当院では、札幌北辰病院・札幌徳洲会病院・札幌厚生病院の協力病院となっており、H17年度から年間、10名前後の卒後臨床研修医を受け入れています。

 研修期間は1ヵ月と短く、新入院の患者さんを退院まで担当することはまずありません。しかし新患の予診取りと、本診察見学により、精神状態のみかたや診察の基本を繰り返し学びます。

 また、指導医とともに歩くことで、精神状態の把握や介入法を学び、救急当番日にはサブ当直として急性期治療を体験します。知識を整理するための、主な精神疾患や薬物療法、精神保健福祉法についてのミニ講義もあります。

 そしてもっとも大切なことですが、各種カンファレンスや退院促進プログラムへの参加を通じて、精神医療が看護師、ソーシャルワーカー、作業療法士、臨床心理士、栄養士など多くの職種によるチーム医療であることを実感できます。

 このように、短いながらも充実した研修を行っています。

後期臨床研修について

 当院の後期臨床研修システムの概要を紹介します。
 「こころの問題」がマスメディアなどで盛んに取り上げられるようになり、精神医学はより身近で重要な分野になってきています。私たち精神科医が果たすべき役割は、いまや病院というフィールドを超えて、職場・家庭・学校など社会全体に求められており、今後の活動範囲はますます拡大していくことでしょう。

 当院は「信頼と真心」の基本理念に基づき、精神保健と身体保健とが同等であることを追求し、社会に貢献することを基本方針としています。

 一人でも多くの精神保健・医療を志す医師が、当院の社会的使命を帯びた医療活動に参加され、共に精神医学を学ぶ仲間として加わって頂けることを切望します。

後期臨床プログラム(2016年現在)

研修概要

 当科での研修の基本軸は外来・病棟における臨床診療です。

 外来では初診患者の予診をとります。限られた時間で主訴や経過を聞き取り、それらを要領よくまとめて初診担当医師に報告し、診察に立ち会いながら面接技法や診断のプロセス、治療方針の選択法などを学びます。

 病棟では、指導医師とマンツーマンになり、主治医として診療にあたります。そして受け持った新入院患者の経過・状態・治療について、朝の新患紹介の場で報告し、話し合います。また、毎週開かれる医局カンファレンスで、入院後の経過や問題点などが詳細かつ活発に討議されます。これらのカンファレンスを通じて、基本的な精神科の診療と治療の考え方を学んでいきます。

 ちなみに当院の外来患者数は1日平均186、2名(新患患者は1日平均3、6名)です。また、病床数は315床(精神科救急入院病床46床/精神療養病床109床/認知症治療病床50床/特殊疾患病床60床/内科療養病床50床)です。(平成28年8月現在)
 次に当院研修のもう一つの基本軸であるクルズス(勉強会)について説明します。この勉強会は医局の全指導スタッフがそれぞれ得意とする分野を担当し、1年間継続されます。クルズスの内容は後述するように18分野にわたります。まことに広範にわたり、精神医学のほとんど全てが網羅されています。

● 研修目的

 卒業3年目以降の精神科後期臨床研修/精神科専門医ならびに指定医養成コースを設定し、精神医学の幅広い分野における診断および治療の技術、チーム医療と医療連携に関する知識・企画力・実践力を身につけ、より良い精神科医療の発展に寄与し、地域社会に貢献する。

● 研修目標

 研修期間は原則3年間。初期の3ヶ月間は基本研修期間として、主に指導医の初診に陪席し、予診を取ってもらい、その後の診断・処方などの基本的手法を学ぶ。

 また初期の1年間は、当研修で用意されたクルズスのうち各自が希望するものを受けることが出来る。

基本クルズス

  • 1. 精神医学的面接法と精神症状の把握
  • 2. 精神科診断法
  • 3. 身体的・神経学的診断法
  • 4. 各種検査法(脳波・CT・MRI)
  • 5. 精神療法
  • 6. 心理学的検査法
  • 7. 臨床精神薬理
  • 8. 精神保健福祉に関する法律
  • 9. 統合失調症(診断・治療・臨床知見など)
  • 10. 気分障害(診断・治療・臨床知見など)
  • 11. 認知症(診断・治療・臨床知見など)
  • 12. 不安障害(診断・治療・臨床知見など)
  • 13. 睡眠障害(診断・治療・臨床知見など)
  • 14. 適応障害とパーソナリティ障害
  • 15. 児童・思春期精神障害
  • 16. 医の倫理
  • 17. 精神障害者の社会復帰
  • 18. チーム医療と医療連携
● 到達目標

・1年目の目標
 代表的な精神疾患と身体疾患に関連した精神症状の病態を正確に記載し、的確に診断して 治療法を選択出来るようになる。

・2年目の目標
 すべての精神疾患と身体疾患に関連した精神症状を正確に理解し、的確に診断して 治療法を選択出来るようになる。

・3年目の目標
 例外的な症例についても精神症状を正確に把握し、的確な診断・治療が出来るようになる。また、保健・医療・福祉の幅広い職種と協調してチーム医療を行うことが出来るようになる。

● 研修内容

提供可能な研修プログラム

  • 1. 患者および家族との面談
  • 2. 疾患の概念と病態の理解
  • 3. 診断と治療計画
  • 4. 補助検査法(神経学的検査、心理検査、
    脳波、CT、MRI等の脳画像検査)
  • 5. 薬物・身体療法
  • 6. 精神療法
  • 7. 心理社会的療法、精神科リハビリテーション及び地域精神医療・保健・福祉
  • 8. 精神科救急
  • 9. コンサルテーションリエゾン医療
  • 10. 法と精神医学(鑑定、精神保健福祉法、心神喪失者等医療観察法、成年後見制度)

経験可能な症例

  • (1)疾患別
  • 1. 統合失調症
  • 2. 気分障害
  • 3. 不安障害、身体表現性障害、
    ストレス関連障害
  • 4. 児童・思春期精神障害(摂食障害)
  • 5. アルコール、精神作用物質による
    精神障害
  • 6. 症状性または器質性精神障害、認知症
  • 7. パーソナリティ障害
  • (2)治療場面別
  • 1. 救急・当直例
  • 2. 行動制限例
  • 3. 地域医療例
  • 4. 合併症・コンサルテーション例
  • 5. 司法精神医学例

当院の病棟機能とその他の施設

1. 精神科救急入院病棟5. 退院支援室9. 介護老人保健施設
2. 精神療養病棟6. 相談支援事業10. 認知症高齢者グループホーム
3. 特殊疾患病棟7. 就労支援事業11.精神科デイケア・デイナイトケア・ショートケア
4. 精神科作業療法8. 居宅介護支援事業 

指導スタッフ(精神科)と専門領域

会長
田尾 重良(臨床精神医学、脳波)
臨床研究センター長
小山 司(臨床精神医学、臨床精神薬理、司法精神医学)(北海道大学名誉教授)
理事長・院長
田尾 大樹(臨床精神医学、老年精神医学、司法精神医学)
副院長
晝間 臣治(臨床精神医学、脳波)
部長
千葉 周(臨床精神医学)
部長
控井 博明(臨床精神医学)
医員
臼居 礼子(臨床精神医学、画像診断)
医員
岸川 淳子(臨床精神医学、精神療法)
医員
河合 剛多(臨床精神医学)

※常勤内科医 3名  ※臨床心理士 5名
精神科医局12名のうち
※精神保健指定医 8名  ※日本精神神経学会精神科専門医・指導医 6名

資格取得

・精神保健指定医

 医療保護入院や措置入院などの精神科医療の中核的業務をする際の必須の資格です。 当院では症例数も多く、研修期間内に精神保健指定医取得に必要な8症例すべてのレポート作成が可能です。

・日本認知症学会認定専門医

 日本認知症学会専門医制度研修認定病院です。学会専門医の取得も並行して行います。

・日本精神神経学会認定専門医

 当院は精神科神経学会専門医制度研修認定病院です。学会専門医の取得も並行して行います。

応募方法・試験概要

 後期研修を希望される方、または精神科への転科を希望される方の病院見学は随時受け付けています。お気軽にお問合せ下さい。

お問合せ:事務長 沼田直樹
電話:011-891-3737(代表)
E-mail:numata@ohyachi-hp.or.jp