リハビリ・訪問

通所リハビリ

リワークプログラム FROG / プレリワーク

 リワークプログラムとは、うつ病などにより休職された方を対象に行う、職場復帰に向けたプログラムです。休職中の方が職場へ復帰するためには病状の回復とともに、体力・集中力の回復が必要となります。また、これまでと同じ働き方や考え方のまま元の職場戻ってしまうと、再休職を経験することも少なくありません。

 そこで、当院では休職中の生活から職場へ復帰するまでの準備を行うと共に、プログラムや面談などを通して、復職してからも無理なく続けるスキルを身につけることも目的としたリハビリテーションを行っております。

※他院通院中の方も主治医の変更なくご参加いただけます。

● 対象うつ病などにより休職中で復職を目指している方
● 場所デイケア棟3階
● 料金※自立支援医療適応の場合
約450円/日(半日参加)
約800円/日(1日参加)

※詳しくは担当スタッフまでお問い合わせください。

※状況や状態に合わせて、「プレリワーク」と「FROG」どちらからでも開始可能です。

プレリワーク
*毎日通うのは自信がない…という方
*リハビリ勤務は短時間なので毎日の
参加は必要がないと感じている方
実施日:月・木(週2日〜)
時 間:9:00〜12:00
期 間:最長4週間

● プログラム内容

※再休職予防も含めた復職支援をご希望の方は、FROGへの移行をおすすめします。

リワークプログラム FROG
*毎日通って復職に向け十分な体力を
つけたい方
*これまでの働き方や生き方を振り返り、
再発・再休職予防に取り組みたい方
実施日:月・火・水・木・金
時 間:9:00〜12:00 / 9:00〜15:30
8:30〜18:30(※金のみ)

● プログラム内容

  午前 午後

心理教育(初級)

 疾病や自己への理解を深める

個人ワーク

 復職に向けた各自の課題に取り組む

ボディワーク

 心身の繋りを感じる

心理教育(中級)

 自己洞察を深める

Skill up

 職場で活かされる様々な技術の習得

個人ワーク

 復職に向けた各自の課題に取り組む

スポーツ

 基礎的な体力の回復

グループワーク

 協調性や相互協力について練習する

オフィスワーク

 作業能力や表現能力の向上

心理教育(上級)

 再発予防のためのスキルを学ぶ

● ステップアップ方式

 スムーズな復職をお手伝いするために、ステップアップ方式で参加していただいています。通所開始時は負担を減らした午前中の参加とし、徐々に復職に向けて力をつけて午後までの活動に慣らしていきます。

9:00~12:30+α
FROGを利用される方は、STEP1からはじめます。復職に向けた体力づくりや生活リズムの調整、集団活動に慣れることが目標です。
STEP1+3/w 9:00~15:30
午後の参加を定期的に行い、集中力や体力を養います。また、対人関係の持ち方、休職の原因のふりかえり等を行います。
9:00~15:30
毎日午後まで活動することで、心身の状態を整えます。また、具体的に職場と連絡を取り、復職にむけて調整を進めます。
8:30~18:30 ※(金)のみ
実際の勤務時間に近い時間の活動を行い、学んだことを活用しながら復職後の生活をイメージします。

※ステップアップの時期については、ご本人とスタッフ・主治医で相談しながら、体調や復職時期に合わせて決めていきます。

アウトカム
(リワークプログラムFROGの実績)

 リワークプログラムFROGは2010年より開設し、現在までに延べ236名の方が利用されております。一日平均で約9.1名の方が復職に向け再発・再休職に取り組んでおります。業種では公務員・システムエンジニア・教員・郵便局・銀行員や建設設計業など様々な方が利用されていました。

 疾患別ではうつ病・抑うつ状態の方が利用者63%を占め、次いで双極性障害の方が続いております。年代別では40代の方が35%で一番多く、20代・30代・50代が20%前後で分布しています。利用期間は6か月以内に復職される方が48%でした。期間をかけてしっかりと復職を準備される方も多いです。利用期間は平均すると236.3日でした。

 修了者の就労継続率は6か月後では86%の方が継続して働いております。12か月後では80%の方が継続して働いておりました。(図1)FROGでは修了後も1~2か月に1度の面談を行い、安心して働けるようサポートを継続して行っております。

(* 2010~2022年まで集計結果から算出 )

図1

修了者(復職・再就職)の割合→ 172名(79%) (注1)
修了者の 6 ヶ月後の就労継続率→ 86% (注2)
    12ヶ月後の就労継続率→ 80% (注2)

注1:2010~2022まで
注2:2019~2021まで

利用者の感想

自分が休職した原因を客観的にふりかえることが出来るようになったことがとても大きいなと思いました。どんな状況でも自分から何か声をあげれば、周囲は応えようとしてくれること、一人で何もかも頑張ろうとしなくても良いのだということは忘れずにいたいです。
自分のことを大切にできるようになった。好きになった。さぼることを知った。人を信頼することができるようになり、人に頼れるようになった。
以前のように何もかも自分のせいにしたり、抱え込みすぎたり、完璧に仕上げなくても「まあ、いいか」と思えるようになった。
同じように悩み、苦しみ、努力している人がいて、老若男女、色々なケースがあることが知れてよかった。考え方・気の持ち方次第で変わることができるということを学んだ。
以前に比べ、自分にあまり多くを望まなくなった。自分に求める基準を上げ過ぎると、自分を苦しめるだけではなく、際限なくなってエスカレートし、結果、大事な人達に迷惑をかけるということが判った。自分が苦しいとか辛いとかも自分で認識できるようになってきた。
最初は億劫だったが、規則通りに通い、今まで経験したことのないようなプログラムと自分を見つめ直すプログラムがあり、それが自分なりに参考になった。一人では気がつかないこともあるし、違った見方を知ることもできた。自分だけは難しいこと。また、人から見る自分、というものも分かり、参考になった。
卒業生の話を聞く機会があり、復職後の状況などを聞くことにより、自分と重ねて考えることが多々あり、とても参考になりました。特に同じ経験を話していただくと、そう考えていたのは自分だけはないのだと安心しましたし、じゃあ、どう対処するのかというイメージも湧いたのでよかったです。

大谷地病院 リワークプログラム「FROG」

〒004-0041 札幌市厚別区大谷地東5丁目7-10

Tel:011-891-8830