認知症専門外来

外来診療

認知症専門外来(もの忘れ外来)

 日々のくらしの中で、物忘れがつらい・今自分のいる場所や時間がわからないなど「もしかして認知症では」とご心配の方は、当院の認知症専門外来(もの忘れ外来)へご相談ください。認知症専門医が診断・治療を行い、認知症認定看護師が対応することができます。

診察日

 
午前
午後 認知症
専門外来
認知症
専門外来
(第2・4)

担当精神科医

田尾 大樹(認知症専門医)
清水 有子(認知症診療医、認知症専門医)
小坂 優

※「認知症専門医」とは日本認知症学会が認定した資格です
※「認知症診療医」とは日本精神神経学会が認定した資格です

受診の前に

 認知症専門外来(もの忘れ外来)を受診希望される場合は、当院予約センター(0120‐489‐892)に連絡し「認知症専門外来(もしくは物忘れ外来)希望」とお申し付けください。また外来予約に関しては『初めて受診される方へ』を参照してください。


※認知症に関しては認知症専門外来以外の診察日でも対応することが出来ます。お時間が合わない時は精神科の診察にてご相談ください。

認知症とは

1. 認知症とは
脳の細胞が壊れたり、働きが悪くなったりすることで様々な障害が起こり生活するうえで支障が出てい る状態の事を指します。そのため認知症は特定の疾患を示すものではなく、記憶力・思考能力の低下に 伴いさまざまな症状全般を示す用語になります。(続きを読む▼)

認知症の中で一番多いのはアルツハイマー型認知症です。脳の一部が萎縮していく過程で起こり、認知 症の約 6 割を占めると言われています。次いで多いのが脳梗塞や脳出血など脳血管障害による血管性認知症です。


2. 認知症の症状
認知症の症状は大きく2つに分けられ、認知症の大部分の人に現れる症状を「中核症状」と言い、記憶 障害・見当識障害・判断力の障害などがあります。(続きを読む▼)

「周辺症状」は中核症状によって及ぼされる生活障害のことを言い、もともと持っている性格や生活環境、人間関係など様々要因によって、うつ状態や妄想等の精神症状、日常生活を困難にする行動上の問題を指します。
認知症の方は周囲で起こっている現実を正しく認識することが困難になります。また、一緒に生活する家族の方や介護者の方が対応に苦慮するのは「周辺症状」の場合が多いです。最近では周辺症状を「認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:BPSD)」と表す場合もあります。

中核症状
・記憶障害
ものごとを記憶する(特に最近あったできごと)が苦手になります。
・見当識障害
今日の日付が出てこなくなったり、自分がどこにいるのかが分からなくなる。なお「いつ・おこ」が分からなくなります。
・理解・判断力の障害
ものごとを考えることが苦手になり、筋道をたてて行動できなくなります。また考えるスピードが遅くなったり、些細な変化で混乱を来たしやすくなります。

周辺症状
本人がもともと持っている性格や環境、人間関係など様々な要因がからみ合って起こるため、症状や行 動は様々です。身体の具合や環境・介護の方法などによっても影響を受けます。適切なケアを受ける事 によって予防・改善が可能となります。「周辺症状」の代表的なものとして暴言や暴力、興奮、抑うつ、 不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便、失禁などがあります。


3. 認知症の方の対応について
本人のペースや感じた事を尊重し人格を傷つけないような配慮が重要になります。安心して落ち着ける ような声掛けや安心できる場所や雰囲気づくりが大切です。過度のストレスを与えないよう心掛けるこ とで各種の症状や行動が和らげられることもあります。家族だけで抱え込まず、病院など医療機関や支 援団体と一緒に関わることで当人と家族の負担を減らすことができます

4. 認知症のサイン
年を取ると誰しも人や物の名前が思い出せない、新しいことをおぼえるのが難しくなることは誰にでも 経験があると思います。認知症の初期症状と物忘れはよく似ており混同されやすいですがまったく違い ます。両者の違い知ることが大切です。(続きを読む▼)
・ もの忘れの為に日常生活に支障をきたしているか?
日常生活で重要ではないこと(タレントの名前や昔読んだ本の題名など)を思い出せないのは正常の範囲内ですが、仕事の約束や毎日通っている道で迷うなどの場合は認知症のサインかもしれません。
・ 本人が忘れっぽくなったことを自覚しているか?
自分でもの忘れの自覚がある場合は正常の範囲内ですが、もの忘れをしていることに気づかず、話の中でつじつまを合わせようとするようになるのは認知症のサインかもしれません。
・もの忘れの範囲は全体か?
経験の一部を忘れるのは正常の範囲内ですが、経験全体を忘れることは認知症のサインかもしれません。

 

加齢によるもの忘れ

認知症によるもの忘れ

体験したこと 一部を忘れる
例)朝ごはんのメニュー
すべてを忘れている
例)朝ごはんを食べたこと自体
もの忘れの自覚 ある ない
探し物に対して (自分で)努力して
見つけようとする
誰かが盗ったなどと、
他人のせいにすることがある
日常生活への支障 ない ある
症状の進行 極めて徐々にしか進行しない 進行する


当院では認知症専門外来を開設し、認知症の診断・治療に力を入れております。「認知症では」心配される方は大谷地病院もしくは札幌市内の専門の医療機関にご相談ください。

医療法人 重仁会 大谷地病院
〒004-0041 札幌市厚別区大谷地東5丁目7-10
外来予約センター TEL:0120-489-892